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校長室だより ♪校長室カンタービレ♪ 第38号が発行されました

 

♪校長室カンタービレ♪ 第38号

平成30年9月3日

♪「しとしとピッチャンしとピッチャンしーとーピッチャン」。若い人は知らないかもしれませんが、橋幸夫が歌った「子連れ狼」の一節です。雨という言葉は出てきませんが、この歌詞だけで、冷たい雨が降り続く中、拝一刀が大五郎を乳母車に乗せて歩く情景が、私には浮かんできます。

♪「ピッカピッカの一年生」。小学館の雑誌のCMで流れたキャッチフレーズです。これを耳にするだけで、服やランドセルの真新しさはもちろんのこと、希望に満ちた元気な小学一年生の姿が目に浮かんできます。

ピッチャンとかピカピカという言葉は、「オノマトペ」と呼ばれています。

オノマトペとは擬声語を意味するフランス語(onomatopee)で、擬声語とは擬音語と擬態語の総称です。

擬音語とは、自然界や人間社会で発せられる音や声を真似て、文字・言葉で表現したものです。たとえば、「ザーザー」「カンカン」「ギャーギャー」「ワンワン」「チュウチュウ」などがあります。

擬態語とは、動作や状態あるいは心情などの音がしないものを、文字・言葉で表現したものです。たとえば、視覚的なものでは「キラキラ」、臭覚的なものでは「ツーン」、触覚的なものでは「ベタベタ」などがあり、心情を表すものとして「ハラハラ」「ワクワク」などがあります。

ちなみに、「ポケモン」の「ピカチュウ」は、雷が光る様子を表した擬態語「ピカ」と、ネズミの鳴き声を表した擬音語「チュウ」を組み合わせたものです。もしかしたらこの名前の付け方も、日本や世界で受け入れられた理由の一つかもしれません。私も素晴らしいネーミングセンスだと感心しています。その他、世界に誇る日本文化である漫画の世界においても、情景描写としてたくさんのオノマトペが使われていることはご存知だと思います。

実は、日本語におけるオノマトペの数は、英語に比べて3~5倍あると言われています。その理由として、日本語は形容詞と動詞の数が少ないからだという説があります。「ワンワン」と鳴く犬、「ガオー」と鳴くライオン、「ゲロゲロ」と鳴くカエル、日本語では「鳴く」という表現を使います。しかし英語では、犬は「bark」、ライオンは「roar」、カエルは「croak」という、個別の動詞で表現します。この個別の動詞は、日本語では「ほえる」とか「さえずる」などにあたると思いますが、日本語では「鳴く」という動詞でも通用するのです。このような言葉の数の理由から、日本語のオノマトペが増えていったことは間違いないと思いますが、私はそこに、日本人の独特で豊かな感性が存在していることを忘れてはならないと考えています。

四季が存在し自然環境に恵まれている日本では、このオノマトペを使って微妙な自然観を絶妙に表現してきた歴史があります。動物や自然の音を人間の声と同じように認識することに美を求める日本人、また、音のないものを音として表現する擬態語で深く心にしみわたる情感を表そうとする日本人。グローバル社会だからこそ、日本の美意識をもう一度考えてみることも必要ではないでしょうか。

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