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学校概要

校長室だより ♪校長室カンタービレ♪ 第7号が発行されました

♪校長室カンタービレ♪ 第7号

平成29年6月9日

 島根県総合体育大会が今月の初めに終わりました。本校生徒も、日頃の練習の成果を発揮すべく精一杯頑張ってくれました。思い描いた結果が残せなかった部もありますが、部活動は人間教育の場として最も適した活動だと私は思っています。生徒と顧問が共に協力し共に過ごした時間は、必ずや今後の生活にいかせるものと確信しております。そして、前号で書いた「フェルマータ」の後、気持ちを切り替えて次のステップに進んでくれることを願っています。

さて、今回は漢字の「間」についての話をさせていただきます。

「間」という漢字の成り立ちは、門の向こうに月が見える様子、つまり門を閉じても月の明かりがもれる「すきま」を表しているそうです。本来は門構えに月で「閒」と書きますが、現在は門構えに日で「間」という略字になったそうです。

「間」という字は、音読みで「カン」「ケン」、訓読みで「あいだ」「はざま」「ま」と読みますが、今回は「ま」と読む場合の話です。

日本人は「間(ま)」を大切にするとよく言われます。日本伝統のスポーツである相撲や武道では、立ち合いの間や間合いを重視します。また、落語においても、名人と呼ばれる落語家は「間」の取り方が絶妙だと言われています。

音楽の世界においても、同じことが言えるかもしれません。

学校の授業では、西洋音楽におけるメトロノーム的なリズムを中心に教育されてきました。しかし最近では、能・歌舞伎や雅楽などの伝統芸能・伝統音楽を学習するように変わってきました。日本人として日本の文化を学ぶのは当然のことだと思いますが、音楽教員が日本音楽について理解できているかというと、私も含めほぼ素人です。ただ、日本独特の美意識である「間」について考えることはできると思うのです。1,2,3,4~とカウントしながら奏でる音楽だけではなく、実態をつかみにくい感覚的な意識と言ってよい「間」について学ぶ。楽譜から学ぶ音楽だけではなく、師匠から弟子へそして次の世代へ継承されてきた日本の伝統音楽から学ぶ。教えることのできるリズムを学ぶとともに、教えることのできない感覚的な「間」を学ぶ。この意義は非常に大きいと考えます。

実は、私たちが日常的に会話をするときも「間」を意識しているはずです。「間」のない人の話って、内容は良くても聞くだけで疲れてしまい、その話し方だけが印象に残ってしまうことってよくありますよね。「間が悪い」「間を置く」「間延びする」「間がもたない」「間の抜けた」とかいう表現にも、そのことは表れているのではないでしょうか。

校長は話をさせていただく機会が大変多い役職です。私は、自分の思いを伝えるためにも、「間」を大切にしていきたいと思います。

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