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校長室だより ♪校長室カンタービレ♪ 第33号が発行されました

♪校長室カンタービレ♪ 第33号

平成30年6月15日

平成30年1月9日の校長室カンタービレ第23号で、私は人工知能(AI)と音楽について書きました。今号は、その第2弾です。

平成29年1月16日、大阪大学Center of Innovation(COI)と科学技術振興機構(JST)が、脳波に基づいて自動作曲を行う人工知能を開発したとして、次のような発表を行いました。

『このたび、沼尾正行(大阪大学産業科学研究所教授)、大谷紀子(東京都市大学メディア情報学部教授)、クリムゾンテクノロジー(株)、ベルギーの研究機関imecの連携チームは、楽曲に対する脳の反応に基づいて自動作曲を行う人工知能の開発に成功しました。

今後の脳マネジメントシステムは、個人の脳波の状況を検知し、それに基づいて脳の活性化手段を提供し活性化につなげると考えられており、活性化手段は音楽を提供することが有望です。しかし、現在の音楽提供システムは、過去に聞いた曲の類似曲を推薦するか、曲の特徴を細かく指定する必要のある自動作曲システムしか存在せず、手軽に音楽で脳の活性化に結び付けることが困難でした。

しかし今回、ヘッドホンと一体化した脳波センサーを開発したことで、曲に対する脳波データの収集が容易になり、収集した曲への反応と脳波の関係を機械が学習し、ユーザーのメンタル状態を活性化させるオリジナルの音楽を容易に生成することが可能になりました。作曲結果は、その場でただちにMIDI技術によりアレンジされ、シンセサイザを用いて豊かな音色で再生されます。

以上の技術により、将来的に個人だけでなく聴衆の反応測定が可能になり、聴衆の脳波反応に基づいた作曲の実現も期待されます。また、家庭で個人の状態を脳波で測定し、個人の状態にあった音楽刺激を用いて、個人の潜在力を常に発揮できるシステムの実現が期待されます。』

以上のような記事でした。

この記事を読んだ時、私の頭の中には?マークが飛び交っていました。まず、このシステムの仕組みがわからない。人工知能が複雑な人間の感情を判断できるのか。脳波だけで本当の人間の感情が測れるのか。感情が判断できたとしても自動作曲による音楽で人間の感情がコントロールできるものなのか。人間の心はそんなに単純なものなのか。これは技術の進歩と言う言葉で片付けることのできる問題なのか。様々なことを考えてしまいました。確かに、音楽には人間の感情をコントロールする大きな力があります。そして、この自動作曲技術を活用すれば、その人が持っている潜在能力を最大限発揮する可能性があることも何となく理解できます。特に医療や福祉の分野においては、大きな効果が期待できるかもしれません。人間にとって効果があるのなら、大変有意義な研究開発だと言えます。でも、私が最も感じたことは、なぜか「怖い」という感情だったのです。

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