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校長室だより ♪校長室カンタービレ♪ 第15号が発行されました

♪校長室カンタービレ♪ 第15号

平成29年9月28日

 前号の続きです。

全盲の辻井伸行さんは楽譜を見ることができません。そして鍵盤の位置を目で確認することはできません。そんな伸行さんがどうやってピアノ曲を弾くことができるのか、皆さんは不思議に思いませんか?私もそう感じたので、実は目を閉じて弾いてみたことがあります。結果は、まったく弾くことができませんでした。特に、音が跳躍する部分は鍵盤を見てもはずしてしまうのに、目で確認せずに弾きこなすなんて神業としか思えません。

伸行さんは、6歳から大学に入学するまで、ピアニストであり東京音楽大学講師の川上昌裕さんに師事しました。川上さんが初めて伸行さんに会ったとき、まだ6歳にもかかわらず、自分の演奏をスラスラとまねる伸行さんを見て、「なんて耳がいいんだ」と思い、二人三脚でやってみようと決心したそうです。

まず、楽譜は当然読めないので、右手と左手のパートに分けて録音した「譜読みテープ」を作って聞かせたそうです。ただ、録音するのに膨大な時間がかかってしまい、相当な苦労があったようです。しかし、これが耳の良い伸行さんにはぴったりの勉強法で、伸行さんはメキメキと実力をつけていったのです。

その後、17歳でショパン国際ピアノコンクールに挑戦し、審査員批評家賞を受賞するまでに成長しました。

上野学園大学に入学してからは、演奏家としても指導者としても超一流の横山幸雄さんに師事し、20歳の時に、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで日本人として初の優勝者となったのです。

このような著名なプロから教わるということも、一般人ではなかなかないことではありますが、様々な人による試行錯誤から生まれた的確な支援・指導と、何と言っても本人の並々ならぬ努力によって、今の辻井伸行さんが存在しているのです。

伸行さんのピアノ演奏の批評として、「ミスタッチが多い」などと書かれることもあります。でも、彼にしか奏でることのできない音楽、彼の内面から湧き出る音楽、これに共感したとき、我々は感動を覚えるのでしょうね。

伸行さんはインタビューの中で、次のようなことを語っています。

「ショパンですとかベートーヴェンですとか、今生きているわけではない人たちの作った曲を演奏するときは、イメージを楽譜から読み取るしかないですね。どんな気持ちで書いたのかなと、自分自身でイメージを膨らませて演奏することしかできませんが。」

「音楽は楽しいのが一番ですが、ピアニストは一人で弾く機会が多い仕事ですから、自分自身との戦いでもあるし、常にベストな演奏ができることを目指しています。お客様にいい音楽を届けることを心がけています。」

そして、「ピアノは僕の生活の一部で、なくてはならないもの。どんなときにも一緒にいる。長年ともに人生を歩んできた良き友です。」とも語っています。

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