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校長室だより ♪校長室カンタービレ♪ 第18号が発行されました

♪校長室カンタービレ♪ 第18号

平成29年10月31日

自然界にはたくさんの音が存在しています。例えば、波の音、川のせせらぎ、雨の音、風の音、葉のざわめき、鳥や虫の声など。しかし、これらの自然界の音は、車の音、列車の音、飛行機の音、工事の音、テレビの音、様々な電子音などの人工的な音が満ち溢れている現代では、あえて意識しなければ気づかない場合もあります。

皆さんはサウンドスケープという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

サウンドスケープ(Soundscape)とは、1960年代終わりにカナダの作曲家マリー・シェーファーによって提唱された概念で、「音風景」と訳されています。Landscape(風景)とSound(音)の造語ですが、風景には音が欠かせないという考え方で、視覚中心にとらえがちな風景に対し、自然界の音や人のざわめき、そして人工の音も含めた、あらゆる環境音を1つの風景としてとらえようとする概念です。

私も正直言って概念的なことはよく理解できていませんが、年度の最初の音楽授業でこのサウンドスケープという活動を行っていました。自ら音を発することを禁じ、周りの音を聴いてみるという活動です。当然、学校の環境や時間帯によって聞こえてくる音が異なります。車の音しか聞こえないときもあれば、鳥の鳴き声しか聞こえないときもありました。そして、あまりに静かすぎて時計のカチカチという音しか聞こえない場合もありました。ただ、ほんの数十秒の活動にも関わらず、新たな発見に驚きの表情をみせる生徒もいました。普段何気なく過ごしている生活の中では聞き逃している音が存在していること、人間は意識を集中させることによって初めて聞こえる音があるということなど、様々なことを感じることができたようです。そして、人間の能力ってすごいなと感じた生徒がいたことは、授業を行う者として頼もしく感じました。

物事は一つの方向からだけ見続けていると本質を見落とすことがあります。視覚だけで物事をとらえるのではなく、聴覚も含めた五感を使って物事を判断することが大切です。物に限らず、人間、他者に対する見方もまったく同じことが言えるのではないでしょうか。出会った時の第一印象はとっても大切で、その後の人間関係を形成する上で重要なポイントとなることは間違いありません。しかし、付き合いを重ねていくと、その人の様々な部分が見えてくるはずです。しかも、その人を見る視点を変えてみることで、違う一面を垣間見ることができるはずです。

これから社会に出ることになる若者たちには、様々な角度から様々な視点で物事を見ることができる人間になってもらいたい。そして、自分の強みをいかしながら、他者が弱みを見せたとき、それを助け、支え合うことができる人間になってもらいたい。自分の能力に対し自分で限界を設けず、他者に対しては先入観や偏見をもたず良いところを見つけてあげられるような人間になってほしい。私は、心の底からそう願っています。

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