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校長室だより ♪校長室カンタービレ♪ 第6号が発行されました

♪校長室カンタービレ♪ 第6号

平成29年5月29日

 5月21日から27日まで東京に出かけていました。全国高校校長会への参加のため、前号で書いた「休符(休む)」とはなりませんでしたが、しばし学校を離れ、東京にとどまりながら、次に取り組むべきことを考える一週間となりました。

今回は、音楽用語の「フェルマータ」について書かせていただきます。

「フェルマータ」は、この記号を付した部分の「音符」あるいは「休符」を伸ばすことを意味します。音楽の授業では、「程よく伸ばす」などと習います。

では「程よく伸ばす」とはどの程度伸ばせばよいのでしょうか。授業では2~3倍伸ばすと教えますが、実は伸ばし方に決まりはなく、演奏者の判断に任せられています。つまり、この伸ばし方に演奏者の考えや個性が表れるのです。

前号で紹介した「運命」の冒頭、「(ウ)ジャジャジャジャーン」「(ウ)ジャジャジャジャーン」。この2回の「ジャーン」に「フェルマータ」記号が付されています。短めに伸ばす指揮者もいれば、長めに伸ばす指揮者もいます。もちろん、2回の長さを変える指揮者もいます。同じ指揮者でも、演奏するオーケストラや演奏会場あるいはその時の気分で、長さが変わってくることもあります。様々な演奏を聴いてみて比較するのも、音楽の楽しみ方の一つだと思います。機会があれば皆さんも試してみてください。

さて、この「フェルマータ」は、前号で述べた「休符」の考え方に似ているものがあるかもしれません。「休符」は無音状態、「フェルマータ」は停止状態となります。この停止状態の時、ただ何となく伸ばすだけでなく、何を思いながら伸ばすのかが重要となります。それまでの振り返りのための停止なのか、次の展開へ進むための停止なのか、一人一人の考え方で「フェルマータ」の持つ意味が異なってくるのかもしれません。

このことは、人生においても同じことが言えるのではないかと考えます。

それまで突っ走ってきた人生において、それを振り返る時間は重要です。次へのステップを踏み出そうとするとき、しっかりと考え見極める時間が必要になります。

突然ですが、1979年から放送された「3年B組金八先生」というドラマを覚えていらっしゃいますか。武田鉄矢扮する坂本金八先生が、学級担任をしている3年B組に起こる問題を体当たりで解決し、教え子のために奔走するドラマでした。金八先生は様々な名言を残しています。その中に、「正しいという字は、一つ・止まると書きます。どうか一つ止まって判断できる人になって下さい。」という言葉があります。また、「歩くという字は、少し・止まると書く。急がなくていい、一歩一歩しっかり進んで下さい。」という言葉もあります。

時には、「フェルマータ」として「程よくとどまる時間」を人生に設けたいものですね。

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